長老教会とは

長老教会とは

長老教会、と言っても、高齢の方ばかりが集まっている教会というわけではありません。長老教会とは、聖書の教師である牧師と信徒の代表である信徒長老とが共同して教会の運営を行う教会です。聖書には長老の働きについてふれた箇所があり(使徒の働き15章、20章17節、テモテへの手紙第一5章17節、等)、長老教会はこの制度が最も聖書的な教会運営の方法と考え、そのように行っています。

長老教会の歴史は古く、16世紀にカルヴァンに始まる宗教改革の流れがジョン・ノックスによりヨーロッパ大陸からスコットランドにもたらされスコットランド長老教会を生みました。その信仰の内容は17世紀にイングランドのウェストミンスター神学者会議にて「ウェストミンスター信仰基準」として集大成されました。その信仰を受け継ぐものがヨーロッパから北アメリカ大陸に渡って発展し、韓国などアジアをはじめとする諸外国へと広がっており、世界のプロテスタントの主要な団体となっています。

日本へは、19世紀後半に江戸時代の鎖国が解かれてプロテスタントの宣教が開始されたその初期からヘボン、ブラウン、バラ、フルベッキら長老教会(改革派教会)の宣教師が来日し、重要な役割を果たしています。日本初のプロテスタント教会である「横浜公会」(現在の日本キリスト教会横浜海岸教会)や戦前の主要教派であった日本基督教会も長老派の影響を強く受けています。また、長老教会の影響のもとに設立されたミッションスクールも、明治学院女子学院東北学院金城学院四国学院等数多くあります。日本のプロテスタントに最も大きな影響を与えた教派と言えます。

その後、19世紀末から20世紀初頭にかけて伝統的な聖書の人間観・世界観に対し近代の価値観から批判する反対論(自由主義神学)が起こり、米国をはじめ世界中のプロテスタント教会で論争となりました。この時、伝統的な立場に立った教会は福音主義の教会と呼ばれ、その後急成長し、現代においても世界的に大きな潮流となっています。米国の長老教会においても福音主義に立つ人たちが「独立長老海外伝道局(Independent Board of Presbyterian Foreign Missions)」を創設しました。

日本長老教会はこの米国の福音主義の長老教会の宣教師と日本人の協力により、第二次大戦後に設立されました。現在は、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、愛知、岐阜、三重、石川、大阪、香川、徳島の13都府県に、6中会59地区教会が所在しています。日本長老教会は、日本における福音主義に立つ諸教会の協力機関である 日本福音同盟の主要メンバーとなっています。 

また、アメリカ長老教会(PCA) https://pcanet.org/へのリンクを貼りたい。大韓イエス教長老会高神派などいくつかの諸外国の長老教会と正式な交流を持っています。
このような背景があるため、日本長老教会は聖書を大事にし、またこの聖書に基づいて長い教会の歴史の中で練り上げられてきた信仰の遺産を大事にしています。特に「ウェストミンスター信仰基準」については自分たちの信仰告白として受け入れています。